泉谷しげる、復興進まぬ能登に「イラッとした」 自称“売名行為”コンサートを無料開催

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 シンガーソングライターで俳優の泉谷しげるが、地震で甚大な被害を受けた能登半島の先端、石川県珠洲市で9月21日に「被災者会応援コンサート」を行う。震災から半年経った今も、市内の公道や駐車場は地盤隆起で波打ったまま。こんな状況を「イラッとした」気持ちで見ていたという泉谷が「市民激励の無料コンサートをやりたい。76歳のパワーを見せてやる!」と雄叫びを上げた。

 珠洲市の多目的ホール「ラポルトすず」から泉谷の元へ「会館自主コンサートをやりたいので来てほしい」というオファーがあったのは、昨秋11月のことだった。

「もう40年以上も前になるかな、能登半島へは映画の撮影で行ったことがあって、数週間滞在したことがあったんだよ。その時、地元の人たちが本当に暖かく迎えてくれて……。以来、オレは能登半島という場所が大好きになったんだ。ただ、その時に『また絶対に来るからな』って約束しておきながら、これまで行くことが出来ず、それだけが心残りだったんだよ」

 それだけに、コンサートの依頼が来た時は「ようやく、あの時の約束を果たすことが出来る」と喜び、「二つ返事で引き受けた」。ところが、それから2ヶ月。年が明けた元日の地震と津波に、目の前が真っ暗になったという。コンサートは「もう出来ない」という思いが泉谷の脳裏をよぎった。

 ところがその後、幸いにも会場の被害は最小限に済み、水道、トイレ以外はほぼ問題ないことがわかった。3月下旬には会館から「予定通りコンサートを開催したい。可能なら来て欲しい」と再度、依頼の連絡が届いた。

 が、泉谷は頭を抱えたと言う。さすがに軽はずみな返答はできない。当時について、泉谷は「現地にも行けず、状況も分からない中で時間だけが過ぎていった」と振り返る。

さだまさしの誘いを受け…

 そんな中、旧知のシンガーソングライター、さだまさしから能登半島の支援活動に誘われた。震災から4ヶ月が過ぎた4月のことだった。さだの誘いに泉谷は迷わず了承した。泉谷にとって願ってもないことだったが、珠洲市でのライブ開催に向け「現地の状況を直接、自分の目で確認する絶好のチャンス」だとも考えた。

 そして4月15日、珠洲市を訪れた泉谷は、その場で「コンサート開催を引き受けようと思った」という。その上で「ギャラなんかはいらないから、無料での市民激励コンサートにしたい」と言い切った。

「そりゃ、そうだろう。あの被害の大きさを見させられたら、珠洲市民からチケット代を下さいなんて言えるわけねーだろう。そんなもの貰いたくもなければ、売りたいとも思わねーよ」と、泉谷流の口調で言い放つ。

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