ソフトバンク、年間100勝ペースで独走中!「4軍」で“歴史的快進撃”を支える“恐るべき下地”を目撃した!

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“超プロスペクト”

 ここからまた、近未来の主力選手が生まれてくるのだ。その予感は、ひしひしと感じた。大分戦で4番を務めた佐倉侠史朗は、福岡・九州国際大付高の4番打者として3度の甲子園出場を果たし、高校通算31本塁打。この日も6回に放った左中間突破の二塁打は、左のスラッガーとしての魅力を十分に見せつけた。

 3番のホセ・オスーナは、ドミニカ共和国出身の17歳。2020年にアトランタ・ブレーブスでナ・リーグの本塁打、打点の2冠王に輝いたマーセル・オズナ(※オズナは『オスーナ』の英語風発音)のいとこで、来日していなければ、それこそメジャーのドラフトでも1位指名されると言われていた“超プロスペクト”だ。

 そのオスーナも、1‐1の同点で迎えた9回2死三塁から、中前へ決勝のタイムリーを放っている。そうした逸材たちが、競争を勝ち抜き、4軍から3軍、そして2軍、1軍へと、そのカテゴリーを上がってくる。このプロセスを辿ってくる経験とたくましさが、またソフトバンクを強くする。

 その“下支え”の基礎部分の充実ぶりに、改めて目を見張る思いだった。

喜瀬雅則(きせ・まさのり)
1967年、神戸市生まれ。スポーツライター。関西学院大卒。サンケイスポーツ~産経新聞で野球担当として阪神、近鉄、オリックス、中日、ソフトバンク、アマ野球の各担当を歴任。産経夕刊連載「独立リーグの現状 その明暗を探る」で2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。産経新聞社退社後の2017年8月からは、業務委託契約を結ぶ西日本新聞社を中心にプロ野球界の取材を続けている。著書に「牛を飼う球団」(小学館)、「不登校からメジャーへ」(光文社新書)、「稼ぐ!プロ野球」(PHPビジネス新書)、「ホークス3軍はなぜ成功したのか」、「オリックスはなぜ優勝できたのか 苦闘と変革の25年」、「阪神タイガースはなんで優勝でけへんのや?」、「中日ドラゴンズが優勝できなくても愛される理由」(以上いずれも光文社新書)

デイリー新潮編集部

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