大谷翔平「ホームランダービー辞退」のウラに何が? ドジャースの抱える複雑なチーム事情

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大谷の弱点

 6月の上旬までは18年MVPのムーキー・ベッツ(31)の負傷もあって、選手不足が指摘されていたのは野手のほうだった。ドジャースはナ・リーグ東地区の首位にいるが、怪我人の続出で苦しい状態が続いている。「さらに大谷までいなくなったら」と心配されたものの、結局、ホームランダービーは出場を辞退することになった。

「大谷の右肘は順調に回復しています。30メートルほどのキャッチボールもすでに再開され、6月半ばにはかなり強いボールも投げていました。現地では『投手復帰の時期が前倒しされ、今秋には投げるんじゃないか』というジョークも出ていますが、大谷の様子を見るとマンザラ冗談でもないような気もします」(前出・米国人ライター)

 例年、「ミスター・ジュン(6月の男)」と呼ばれ、今年も12本のホームランを放っている大谷だが、新しいフォームやバットに慣れてくることで調子も上がっていくのだろう。だが、同11日のレンジャーズ戦で復活の16号2ランが出るまで、直近14試合の打率は1割8分3厘だった。そのころ、MLB通算204勝を挙げた解説者オーレル・ハーシュハイザー氏が地元テレビ局LAの中継で、

「shoheiはどのコースでも打とうとする。早打ちだ。内角球をフルスイングしすぎている」

 と“弱点”を指摘していた。

 このとき、新しいニックネームもつけられていた。「Flight distance King」。飛距離王という意味だ。大谷は18日のロッキーズ戦で476フィート(約145メートル)の大ホームランを放ったが、これは7月に入った今も「今季最長ホームラン記録」としてカウントされている。その476フィートアーチの前にも460フィート超えを2本打っており、22年にMVPとホームラン王のタイトルを争ったヤンキースのアーロン・ジャッジ(32)の473フィートを超えて、今季トップの達成だった。

「6月28日からオラクル・パークでのジャイアンツ3連戦があり、6月初旬から『大谷がスプラッシュヒットを達成するのではないか』との期待感も膨らんでいました」(前出・米国人ライター)

 スプラッシュヒットとは、同球場のライトスタンド後方にあるサンフランシスコ湾へ放たれる場外ホームランのことで、往年のバリー・ボンズ氏がそれを達成する映像が日本でも紹介されている。

 ただホームランを打つのではなく、相当の飛距離も期待できる――こうしたプレッシャーが大谷のスイングに必要以上の力を加えさせたらどうなるか。何より「飛ばす」ということを意識したショーがホームランダービーであり、出場することで大谷に何らかの影響を及ぼすことをドジャースは懸念したのだ。

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