『黄昏流星群』コンビニ版で新たな読者を開拓…弘兼憲史 成人誌が店頭から消え困ったワケは

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 全国5万8,000店舗、年間約162億人が買い物する“コンビニ超大国ニッポン”。老若男女、昼夜を問わずさまざまな人が訪れるコンビニは、その目的や利用方法も人によってさまざまだ。「コンビニとの付き合い方」を覗いた先に見えてくるものとは? コンビニジャーナリスト・渡辺広明氏が、ゲストを招きコンビニについて大いに語り合う──。

 今回のゲストは、『社外取締役 島耕作』(「モーニング」)、『黄昏流星群』(「ビッグコミックオリジナル」)を連載中の漫画家・弘兼憲史(76)。喜寿を前に未だ衰えない好奇心にトークも弾み、コンビニとのちょっと意外な関わり方や創作秘話も飛び出した。

「先生のコンビニの使い方は意外とギャルっぽい」

弘兼憲史(以下、弘兼):日本初のコンビニはセブン-イレブンでしたかね。

渡辺広明(以下、渡辺):1974年5月にセブンの1号店が東京・豊洲にでき、今年で50周年です。

弘兼:私も今年でちょうど画業50周年なんですよ。

渡辺:セブンと同級生なんですね。先生はコンビニって普段利用されますか?

弘兼:飲み物やアイスはコンビニでよく買います。森永の「チョコモナカジャンボ」が好きでよく買うのと、カップ麺だとセブンの「すみれ」も好きです。新商品はだいたいコンビニで試しますね。あとはコンビニスイーツもお気に入り。2種類のクリームを合わせてあるシュークリームは、ファミリーマートだったかな?

渡辺:カスタードと生のクリームを使ったスイーツはファミマの得意技です。先生は意外とギャルっぽいというか、けっこうジャンキーな買い方をしていますね(笑)。

弘兼:コンビニもそうですけど、もともと街中華のチャーハンとかB級グルメが大好きなんですよ。

渡辺:先生は料理もお好きで、高級店にもよく行かれているようなので、てっきりコンビニ反対派なのかと……。

弘兼:反対派ではないですよ(笑)。昔は値段が高かったので、コンビニよりもスーパーへ行っていましたけど。それに初期のコンビニは、食品を買いに行くというよりは、どちらかというと日用品が中心のイメージでしたよね。

渡辺:そうですね。昔のコンビニはボールペンとか傘とか忘れたときに便利な“緊急購買のお店”って感じでしたが、中食が充実していった結果、いまはシニアの日常生活を支えるお店になっています。高齢者は片道5分、700m以上離れたお店は日常的に使わないと一般には言われているので。

弘兼:団塊世代が後期高齢者になっていって、一人暮らしも今後増えていくとなると、コンビニの需要は益々高まりそうですね。シニアはお弁当とかもそこまで量もいらないですし。

渡辺:おっしゃる通りです。飲料やデザートなどをついで買いしてもらうために、500円以下の価格で、ボリューム少なめのコンビニ弁当が最近は増えています。利用者の7割が男性という時代が長くありましたが、いまは男女比もほぼ半々と、コンビニの客層は日本の人口動態とほぼ同じ構成になっていますね。

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