【1986年6月12日・伝説の死闘】藤波辰爾VS前田日明 「“藤波の受けは凄い”ってよく言われるけど、前田の蹴りが早すぎて…」
前田と藤波が背負ったもの
御年70にして現役を続けるプロレスラー、藤波辰爾の額に今も残る傷痕がある。
1986年6月12日、前田日明との一騎打ちで負った傷である。先鋭的な格闘プロレス集団として知られたUWFが産声をあげて、今年は40周年となるメモリアル・イヤー。そのUWFを背負った前田と、新日本プロレスのサラブレッド、藤波のシングル戦が残したものとは何だったのか――。
UWFは、新日本プロレスから分派して出来た団体である(1984年4月旗揚げ)。不満分子による社内クーデターの勃発などで、新日本プロレスに嫌気が差していたアントニオ猪木の受け皿として用意された団体だったが、結局、猪木は動かず。...