52kg級の阿部詩が「私の人生そのもの」と挙げた意外すぎる曲は…代表3選手の意気込み【五輪柔道女子】

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詩さんの背中を追っています

「昔のライバルだった阿部詩選手と一緒に五輪に出られることは?」と尋ねると、角田はこう答えた。

「詩さんは初めて出てあんな活躍ができる。本当にすごいと思った。背中を追っています。仮にあの時、私が勝って東京五輪に出ていてもできなかったと思う」

 寝技を続けさせる審判と早く立たせてしまう審判には、今もばらつきがある。それについては「決めるのに時間がかかることもある。やはり(寝技を)長くてくれる審判がいいですね」と話す。

「右(足)がよくなったと思ったら今度は左だったり」など、体調は今一つであることも打ちあけていたが、その表情に暗さはない。世界選手権は3連覇中。出場したグランドスラムも4連覇している。

「負けている相手に挑戦するのはやりやすいけど、こっちが勝っている相手ともう一度当たるのはちょっと」とも。最近、負けた相手が皆無であるが故の不安も少し吐露した。それでもパリでの角田は、「伝家の宝刀」の十字固めで海外のライバルたちを蹴散らしてくれるはずだ。

粟野仁雄(あわの・まさお)
ジャーナリスト。1956年、兵庫県生まれ。大阪大学文学部を卒業。2001年まで共同通信記者。著書に「サハリンに残されて」(三一書房)、「警察の犯罪――鹿児島県警・志布志事件」(ワック)、「検察に、殺される」(ベスト新書)、「ルポ 原発難民」(潮出版社)、「アスベスト禍」(集英社新書)など。

デイリー新潮編集部

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