彼女が勝手にアパートを借りてきて…「夜逃げ同然」で始まった同棲生活 横尾忠則が“姉さん女房”との馴れ初めを振り返る

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 編集部のTさんは会う度に、夫婦の馴れ初めを書いてくれませんかとリクエストをします。いつも生半可な返事をしながら逃げてきましたが、書くテーマがなくなったので隠し玉というのも変な話ですが、いずれ書かされそうなので、早いとこ書いてしまいましょう。

 僕が20歳の頃、神戸・三宮駅前の神戸新聞会館内の新聞社にデザイナーとして入社した翌年のこと。いつも館内を先輩のデザイナーのOさんと連れ立って徘徊していました。そんなある日、Oさんが帰路、三宮駅のホームで、会館内に勤める女性から、僕を紹介してくれませんかと声を掛けられたと言うのです。...

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