いま最も警戒すべきはAI…犯罪の主役はなぜ「ヤクザ」から「半グレ」に交代したのか

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人工知能が悪用される時代が来る

 いま、最も警戒すべきは人工知能(AI)が悪用されることだと言える。

 冒頭で触れた「ロマンス詐欺」などは、高性能なAIが使われることでいっそう厄介なものになるだろう。現状においても、ネット上で無料で使えるAI翻訳ツールの精度は日進月歩で向上している。このツールがいっそう進化して、多言語の同時通訳が自由自在となれば、詐欺師たちは多国籍の「詐欺アバター」をいくらでも生み出すことができる。

 仮に、欧米人とアフリカ人の犯罪者が中国の拠点を経由して、韓国人に化けて日本人を騙したとしたら、どのような捜査協力体制が必要になるのか、現時点では想像もできない。間違いなく言えるのは、捜査当局側も追跡用のAIが必要になるはずだということだ。

 そして我々も、自分の身を守る「マイAI」が必要になる――そんな時代が到来するのは、そう遠い日のことではないのかもしれない。

第1回記事では、「犯罪のプロ」が明かした新たな犯罪グループ誕生の経緯や、トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)が生まれた経緯を解説

(取材・文/久田将義・金賢)

デイリー新潮編集部

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