「ウルトラマン」TVシリーズ最新作が世界でも同時期放送・配信へ それでも舞台は日本である納得の理由

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想像の力で

 円谷プロは今年、「空想の力」をキーワードに、さらなる事業展開を予定している。円谷プロが展開するサブスクリプションサービスの名も「TSUBURAYA IMAGINATION」とし、創業者の円谷英二監督がはばたかせ、世界に広げてきた空想の力や想像の力を前面に押し出している。

「アーク」においても、辻本監督はこの想像の力を活用した。キャッチコピーは「解き放て! 想像の力!」だ。

「子どもの頃に自分が考えていたヒーローが実現できたら。絵は下手だけどそれが具現化できたら。そう考えれば、(主要視聴者層である)子どもも入り込めるだろうし、(話の設定上でも)変身アイテムができたり、光線が放てたり。その子どもの想像力のすごさにウルトラマンが力を与える、と考えれば、(設定を考える上でも)いろんなことが便利になる」

 さらに「想像力が足りないから、国同士の軋轢や差別が起きる。相手の気持ちに寄り添って考えるという想像力が何よりも大事」とも指摘。「相手を思いやる優しさや寛容さを、声高に語らずとも、シリーズを通して感じてもらえれば」と力を込めた。

ファンの思いに応え

 主演の戸塚は「長い歴史のあるシリーズ。その一翼を担う不安もあったけれど、主役となったことをポジティブに捉え、歴史あるシリーズに思いを抱く人も多いので、その思いに応えなきゃいけない」と覚悟を新たにして撮影に臨んだ。

 九州大学在学中に憧れて始めた芝居の世界。ドラマ主演自体も初だが、中でもグリーンバックなどを使用する特殊撮影に苦労することも多かった。

「変身シーンは特に苦労しました。演じるユウマは怪獣防災科学調査所(通称SKIP)の一調査員であり、非力な人間。自分が(怪獣などを)倒しに行く動きをイメージしながら変身シーンを撮影した」と明かし、「みんなにマネしてもらえたらうれしい」

 一方で空中浮遊などの吊りのシーンや、アクションなどは持ち前の運動神経で突破。「爆竜戦隊アバレンジャー」でアバレッド/伯亜凌駕を演じた特撮界の大先輩で、今作ではSKIPの星元市分所所長の伴ヒロシを演じる西興一朗(44 )には「大人のかっこよさを感じました」とほほ笑む。

 辻本監督は「最終話まで観てもらえれば、主人公とウルトラマンの絆の深まりも分かるだろうし、明日から頑張ろうと思ってもらえる作品になっている」と胸を張った。

デイリー新潮編集部

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