「渋沢栄一」の新1万円札でチャンス到来 10万円で売れる“レア紙幣”の条件とは
製造番号のレア度には序列がある
基本的に買取市場に出回るお宝紙幣の価値は、先述のとおり「希少性」と「状態の良し悪し」で決まる。
「そうした条件に加え、紙幣の価値を決定づけるのが“レアな製造番号”が印字された紙幣です。例えば、福沢諭吉の1万円札でも製造番号がMM777777Mのような、記号と数字がダブルでゾロ目の紙幣は、20万円で取り引きされた例もあります」(市川さん)
なんとも夢のある話だ。他にも、製造番号が2のゾロ目の“聖徳太子”が10万円、同じく「末尾が0000」とキリ番の“聖徳太子”が5万円など、高額で取り引きされたケースがあったという。
「製造番号のレア度には序列があり、“キリ番”よりかは“ゾロ目”の方がより価値が高いとされています」(市川さん)
市川さんの解説に倣い、製造番号の「レア度」をまとめた。
【SSSランク】
記号と数字が全てゾロ目でかつ、数字が7。例えば「MM777777M」
【SSランク】
数字のみゾロ目。特に7が人気。例えば「AB555555C」
【Sランク】
数字がキリ番。もちろん記号のゾロ目と重なればよりレア度は高い。例えば「XY200000Z」
【Aランク】
記号が同じ。特に初期ロットとされる「AA券」が人気。例えば「AA123987A」
「ピン札レア紙幣」の高確率状態!?
興味深いのは、現行紙幣であろうとランクが高ければ、額面以上の“値打ちモノ”になるということだ。発行枚数が少ないこともあるのだろうが、「SSランクの2000円札」が8万円になったこともあるそう。
ということは、出回ったばかりの新紙幣でも――?
「新紙幣でもゾロ目やキリ番は額面以上の値がつく可能性は高いと思います」(市川さん)
しかも、発行から間もないため、基本的に紙幣の状態は良好。さらに「AA券」は初期ロットの紙幣とされるため、今は「ピン札のレア紙幣」に出会うことのできる、またとないチャンスということになる。
「同じレア度の“聖徳太子”と“福沢諭吉”の1万円札があったとして、やはりより高い値段が付くのは発行時期の古い“聖徳太子”となります。製造番号はパターンが多いので一概には言えませんが、“聖徳太子”の方が2倍ほど価値が高い」(市川さん)
聖徳太子の1万円札が現役引退したのは1986年。今から約40年前だ。時間が経つと流通量が減り、レア度が更にアップするということである。
「古紙幣の買取価格は、お札の状態や時の相場によっても大きく変動するので期待のしすぎは禁物です。ただ、幸運にも新デザインのレア紙幣を見つけた場合は、保管しておくことで、価値が上がる可能性は十分あるでしょう」(市川さん)
言うなれば「参加無料の宝くじ」。渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎の新しい顔を眺めるついでに、製造番号に注目すると、運のいい人はレア紙幣をゲットできるかも知れない。