岡田阪神「夏場以降に猛チャージ」の一方で、水面下で進む来季へ向けたチーム戦略の中身
現有戦力で後半戦を戦う
ここで思い出されるのが、22年オフの監督就任会見だ。岡田監督の契約任期は発表されなかった。スポーツ新聞1紙だけが「2年」と報じたが、仮にその通りだとすれば、幕張でのオーナーとの隠密会談では「来年以降」のことも話し合われた可能性が高いという。
「昨年のドラフト1位・下村海翔(22)が、いきなりトミー・ジョン手術を受けることになりました。また、昨季は森下翔太(23)も怪我で出遅れました。シーズン途中での安易な補強に動くよりも、ドラフトを含め、全ての補強を慎重に進めることで、オーナーとは意見が一致したと聞いています」(球団関係者)
慎重に進めるということは、現有戦力のままで後半戦も戦っていくとも解釈できる。その戦力を発奮させるため、岡田監督は先発ローテーションの再編も決断した。
「6月23日の日曜日が雨天中止となり、岡田監督は才木を25日の火曜日にスライドさせました。ここまで才木は全て日曜日に先発し、8勝1敗。対照的なのが、火曜日に先発してきた村上頌樹(26)です。味方打線の援護に恵まれないなどの不遇もあって、この時点では2勝しか挙げていませんでした」(ベテラン記者)
その才木が25日、火曜日のスライド登板で敗れた。木曜日にまわった村上は3勝目を挙げたが、日曜日に先発した西勇輝(33)も負けてしまった。ローテーション再編により、それまで10勝2敗と高い勝率を誇ってきた日曜日も不穏な様相になってきた。
「岡田監督は毎週火曜日から始まる6連戦の初戦を取って、波を掴もうとしていました。でも、才木を動かすことは大きな賭けでした。日曜日の高い勝率を落とす危険性はもちろんですが、他の先発投手の登板リズムも変えてしまいます」(前出・同)
才木は次の火曜日となる、7月2日の広島戦に先発。7回1安打無失点の好投も、打線の援護はなし。延長戦でチームは勝利したが、才木に勝ち星はつかなかった。
岡田監督は夏場以降に猛追撃を掛けるつもりでいる。今はそのための準備や立て直しの期間と捉えているようだが、このローテーション再編の効果は表れるのか――。