吃音をコントロールして流暢に話せるようになったはずの男性が、なぜあえて「どもる」話し方に戻したのか
吃音に悩む人は少なくない。一説には成人の1%ほどが吃音だという。
ノンフィクション作家・近藤雄生氏の『吃音 伝えられないもどかしさ』は、数多くの吃音当事者への取材をもとにした作品だ。
同書に登場する一人が、重い吃音を苦に10代で自殺を図った過去を持つ男性。奇跡的に助かったものの、その後も吃音は彼の人生の足かせとなった。
幸い、彼は訓練によって、どもらずに話す術を身に付けた。が、現在、彼は、あえてその「術」を捨て、どもることを選んで生きている。それはなぜか。...