「約10億円の資産を持っていかれ…」 ダイソーが「会社乗っ取りトラブル」で訴えられていた
先代の飾らない人柄
一方の大創産業側の言い分も聞くべく、質問状を送ったが、
「コメントは差し控えさせていただきます」
とのことだった。
「先代の社長はいわゆるたたき上げで、事業に失敗し、転職を繰り返し、夜逃げも経験するなど、100円ショップで成功を収めるまで辛酸を嘗めてきました。取材に行くと故郷の広島弁でダジャレを連発する。経営哲学を聞いても“そんなもの、ありゃせんよ”と言いますし、食事に行きましょうと言われてどんな高級店かと思ったら、ラーメン屋さんだったことも。その飾らない人柄が魅力のひとつでした」(「財界」主幹の村田博文氏)
他方、2代目は地元の大手スーパー勤務の後にダイソー入りし、3年でトップの座を譲られた。
こうしたキャリアの違いが、深刻なトラブルを招いたのかもしれない。
「足の悪い私でも履ける靴を…」
前社長も振り返る。
「博丈さんと最後に会ったのは昨年。“お前の足、何文(もん)だ?”と聞かれて、後日、足の悪い私でも履ける靴を贈ってくださいました。トラブルの件も相談しようとしたけどその時はできなかった」
争いの是非の判断は今後、法廷に委ねられる。
事と次第によっては、ダイソーにとって決して“安くない”事案となるかもしれないが、さてその結末は。
前編「『車やゴルフの会員権はどうでもいいけど、会社は返してほしい…』 ダイソーを訴えた『大創出版』前社長が『会社乗っ取りトラブル』を告発」では、訴訟のきっかけとなったダイソー社長の「激高事件」について報じている。
[2/2ページ]