【追悼】「役は人生のように瞬間を生きるもの」 名作「男と女」で揺れる女心を見事に表現したアヌーク・エーメさんの“演技論”
1966年公開のクロード・ルルーシュ監督によるフランス映画「男と女」は、半世紀以上を経た今も傑作の誉れ高い。フランシス・レイ作曲の音楽も絶妙で、ダバダバダ、ダバダバダ――の調べが耳に残る。
ジャン・ルイ・トランティニャン(2022年に他界)演じるカーレーサーと、アヌーク・エーメさん扮する映画のスクリプターは、お互いの子供が通う寄宿学校で出会う。二人は若くしてともに伴侶と死別していた。次第に引かれ合うが、亡き最愛の人への思いは消えず心は揺れる。...