「一日中ボケッとしていても報酬は1500万円だった」 東京都の「天下り天国」を経験者が明かす

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「理事長室で一日中ボケッとしていてもいい」

 澤氏(前出)が言う。

「外郭団体に天下った人たちが“自分たちは天下りではない”と言うのは、もしかしたら本気でそう思っているのかもしれませんが、それは通りません。なぜなら、その人事の主導権を都庁が握っているからです。だからどう考えてもこれは天下りなのです」

 そう話す澤氏自身も東京都で選挙管理委員会事務局長を務めた後、「東京都環境公社」という外郭団体の理事長として「天下って」いた。

「環境公社の理事長なんて肩書を見ると、すごいことをやっていそうに思うかもしれませんが、基本的にそれほどやることはありません。会議や理事会に出席したり、決裁の判を押したり。率直に言ってしまえば、理事長室で一日中ボケッとしていてもいいのです」

 それで年収は1500万円だった。

「一般の感覚で言うと、どう考えても“都庁の役人て、いいよな”という数字ですよね。小池さんに尽くせば局長、副知事と出世でき、辞めた後の天下り先も用意される、となれば庁内で誰も彼女を批判できなくなるのは当然です」

 前編「『小池都知事は天下りを黙認、利用してきた』 元側近が外郭団体社長に就任…『誰もが疑問に思う人事』」では、小池都知事の“身内”が天下り天国を享受している問題について、詳しく報じている。

週刊新潮 2024年7月4日号掲載

特集「『東京メトロ』『東京国際フォーラム』で年収1000万円台 『小池知事』が側近幹部を潤わせる『東京都天下り天国』」より

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