「一日中ボケッとしていても報酬は1500万円だった」 東京都の「天下り天国」を経験者が明かす

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報酬が1500万円を超える「副知事ポスト」

 都幹部の中で最も優遇されるのが副知事。局長よりさらに上、最高ランクの天下り先が用意されるという。

「代々副知事を辞めた人が天下る“副知事ポスト”がいくつかあり、例えば『東京都競馬株式会社』や『株式会社東京臨海ホールディングス』、『東京地下鉄株式会社』(東京メトロ)などがそれにあたります」(同)

「東京都競馬」の役員の平均報酬支給額は約1895万円、「東京メトロ」は約1568万円となっている。

 また、あの「はとバス」も東京都の外郭団体で、都交通局幹部の天下り先である。

「天下りOB」の弁明

 実際に都の外郭団体に天下っている東京都OBは何と言うか。

「『再就職=悪』と言われればそれまでですが、だからといって再就職をゼロにすればいいのでしょうか」

 そう話すのは、東京都元副知事で現在は「東京都競馬」社長を務めている多羅尾光睦(たらおみつちか)氏である。

「国家公務員や全国の自治体など、ものすごい数の人が再就職して社会が回り、世の中が動いているのも事実です。再就職先のポストにはそれなりのスキルと経験がいるわけで、長い間、公務の生活をしてきた中で蓄積したスキルと経験を生かすことは合理的なのではないか。それでも現役時代に蓄積したスキルと経験を生かすことが悪だと言われれば議論はできません」

 さる外郭団体の社長を務めている元局長に聞いても、

「われわれのような行政での経験がある人間が、外郭団体で仕事をすることで、その団体の業務の実現達成度は高まっていると思います」

 その言い分が多羅尾氏とほとんど一致しているのは奇妙という他ない。

「小池さんがこの状態(天下り)を放置している、というよりもこのやり方に何ら問題がないから特に手を打たないのでしょう。一般企業でも、定年後は子会社の役員になったりすることはある。都庁もそういうのと一緒で、私自身、都庁という大企業の子会社で社長として働いている、と認識しています」(同)

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