「小池都知事は天下りを黙認、利用してきた」 元側近が外郭団体社長に就任…「誰もが疑問に思う人事」

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“敵”を作ることで注目を浴びてきた小池都知事

 小池百合子都知事(71)が先行し、前参議院議員の蓮舫氏(56)が追う展開となっている東京都知事選。劣勢を挽回したいなら、蓮舫氏は公約に“天下り撲滅”を加えたらどうか。何しろそれは、小池都知事がついぞメスを入れられなかった都の「暗部」なのだから――。【前後編の前編】

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 原点回帰の意が込められているのだろうか。

 6月20日に告示された東京都知事選。小池百合子知事が選挙戦初の演説の場に選んだのは、羽田空港から飛行機で約1時間の八丈島だった。小池氏は初当選を果たした2016年の都知事選でも告示翌日に八丈島で演説している。

 それから2期8年。彼女がまばゆいスポットライトを浴びている時、そこには必ず“敵”がいた。そもそも16年の選挙では自民党東京都連を「ブラックボックス」と批判し、都連幹事長(当時)の故・内田茂氏を「都議会のドン」と呼んで攻撃した末に圧勝。都知事に就任した直後には築地市場の豊洲への移転を延期、盛り土問題の調査で「小池劇場」を演出した。東京オリンピック・パラリンピックの費用削減をめぐり大会組織委員会の森喜朗会長(当時)と対立したことも記憶に新しい。20年7月に再選を果たす前後からは“見えざる敵”である新型コロナウイルスと戦うことになったが、そこでも「ステイホーム」「NO!!3密」などとアピールして脚光を浴びた。

天下りを温存したほうが得だと思っている?

 そんな小池氏がこれまで決して斬り込んでこなかった、自らの足元に横たわる「都政の暗部」。それこそが天下りの問題だ。

「彼女は“東京大改革”などと言っていますが、“天下り撲滅”を訴えたことは一度もありません」

 そう語るのは、『築地と豊洲』(都政新報社)などの著書で小池都政を批判してきた元都庁幹部の澤章氏だ。

「あえて言うならば、役人を手なずけるために、天下りを温存したほうが得だと思っているから残しているのではないでしょうか。そこに手をつけると、役人からの反撃を受けたり、関係がぎくしゃくしたりする可能性があるから、そういう面倒なことはやめた、という感じだと思います」

 都議の上田令子氏も、

「16年ごろ、小池知事サイドに、都OBの天下り先になっている外郭団体の改革をやったほうがいいと提案したら、彼女も一応“やろう”と言っていたんですが……」

 と、こう話す。

「東京都の副知事や局長たちは知事の推薦で外郭団体などに天下るわけです。その外郭団体の改革に手をつけてしまうと、局長ら幹部をコントロールできなくなって、役所が動かなくなる。ならば逆に生殺与奪の権を持って言うことを聞かせたほうがいい、と方針転換したのだと思います」

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