佐渡金山、世界遺産登録の“条件”は「採掘禁止」!? もったいないけど仕方ない“事情”があった

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採掘禁止は仕方ない?

 佐渡金山が閉山したのは89年。理由は資源が枯渇したからだが、その前年まで年間約30キロの金を産出しており、鉱脈が尽きてしまったわけではない。鉱業権は三菱マテリアルの子会社で観光事業などを営む「ゴールデン佐渡」が今も所有している。当時の金価格は1グラム約1700円。現在では8倍近い約1万3000円になっており、それなのに採掘禁止とは理不尽ではないか。そこで同社に聞くと、

「新潟県と佐渡市が方針を含めて現在調整している最中ですので、弊社がお答えできる立場にございません」(広報担当者)

 代わって世界遺産登録を推進する文化庁の説明。

「すでに佐渡金山は文化財保護法の対象になっており、採掘のために施設を改修することはできません。世界遺産でなくても、掘ってはいけない場所になっているのです」(文化資源活用課の担当者)

 世界遺産になってほしいけど、もったいない話でもある。

週刊新潮 2024年7月4日号掲載

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