「東京都は土地をすごい勢いで三井不動産に差し出している」 小池都政の「三井ファースト」に疑問の声

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「土地、財産を三井不動産に差し出しているようなもの」

 築地市場跡地の再開発事業を担う事業者が発表されたのは今年4月19日。三井不動産を代表とし、読売新聞も名を連ねるグループと、アニメやゲーム中心の開発を掲げたグループが応募し、三井不動産のグループが選ばれた。

「三井不動産のグループは計11社で構成されており、鹿島建設、大成建設、清水建設、竹中工務店などのゼネコンだけではなく、トヨタ自動車まで名を連ねている。これに対抗できる企業グループを構成するのはほとんど不可能。そうしたこともあり、出来レースだという声が上がっているのです」(経済誌記者)

 全国市民オンブズマン連絡会議幹事の清水勉弁護士はこう語る。

「三井不動産は都庁OBを利用して都政をコントロールしようとしていると考えるのが当然ですし、癒着の疑念も生じます。都庁が『再就職だ』と言ってみても、何ら天下りの否定にはなっていません。この再就職にフリガナをふれば『あまくだり』ですよ」

 先の原田都議が憤る。

「三井不動産にとって都合の良い地区計画を都が作り、三井不動産が落札していくように見えますね。東京都はすごい勢いで土地や財産を三井不動産に差し出しているようなものです」

 さらに「晴海フラッグ」再開発を巡っては、都有地を近隣基準地価の9割引きという、不当に安い価格で三井不動産などのデベロッパー11社に投げ売りしてしまった問題も――。7月4日発売の「週刊新潮」では、東京都と三井不動産の看過しがたい“癒着”、そしてここでも登場する森喜朗元総理の“役割”について、4ページにわたって報じている。

週刊新潮 2024年7月11日号掲載

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