石丸伸二氏 ネット上の動画撮影依頼は誰の仕業か?専門家は「まさかこんなに“アンチ石丸”が多いとは」
7月7日に投開票される東京都知事選は、現職・小池百合子氏(71)、前参院議員・蓮舫氏(56)、前広島県安芸高田市長・石丸伸二氏(41)の3人に当選の可能性があると見られている。読売新聞オンラインの報道によると小池氏のトップは揺るがない一方、無党派層に限ると石丸氏が蓮舫氏をリードしているという(註)。
***
【写真を見る】「石丸人気ってこんなにすごいの?」 銀座の路上を聴衆で埋め尽くした石丸伸二氏
立候補者は全部で56人という信じられない数に達したが、ネット上でも小池、蓮舫、石丸の3氏に対する言及は桁違いに多い。もっと具体的に言えば、3氏には盛んに声援も送られているが、厳しい批判も相当な数に達している。
中でも石丸氏はネット上でトップクラスの人気を博しているものの、いわゆる“アンチ石丸”の投稿も目立つ。特に「石丸陣営がネットを悪用した“選挙工作”を企んでいる」という投稿は高い関心を集め、様々な議論を今も巻き起こしている。担当記者が言う。
「『石丸陣営がネットを利用した“選挙工作”を企んでいる』という主張ですが、よく見ると複数のパターンがあります。その中で最も拡散し、最も議論を引きおこしたと考えられるのが、クラウドソーシング(業務委託募集サイト)に掲載されたと言われる求人広告の画像です。発注者は『石丸氏の街頭演説を撮影してほしい』と依頼し、条件に応じて数千円から数万円の報酬を払うと明記しています。しかも広告の数は1つや2つではなく、かなり大量のようなのです」
石丸陣営が発注した広告で間違いないのなら、当然ながら公職選挙法に抵触する疑いがある。事態を把握した石丸陣営は6月26日、公式SNSで潔白を主張した。
ネット上で続く犯人探し
《お仕事マッチングプラットフォームにて動画撮影の依頼をお見受けいたします。本件いくつかお尋ねいただいておりますが、当該求人広告は第三者のYouTuber等の出稿であり、選対事務所とは一切関係がございません》
「石丸陣営の完全否定で沈静化するかと思われたのですが、ネット上で“犯人探し”は今も続いています。例えば『石丸氏を陥れるため、対立陣営が求人広告を発注したのではないか』といった推測を披露する投稿も少なくありません。さらに石丸陣営の否定コメントに対する反論も数を増やしています。『石丸陣営には動機が存在するし、応募が殺到すると報酬額が膨らむためYouTuberに負担できるとは思えない。やはり石丸陣営が動画撮影を発注したと考えるのが自然』という見解です」(同・記者)
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「求人広告を出したのは石丸陣営、もしくは対立候補の陣営という主張は、さすがに無理があると思います」と言う。
「ネットでの人気を誇る石丸陣営は、街頭演説の動画を普通にアップすれば、必ず拡散すると分かっています。有権者の買収と受け止められかねない危険な方法で、動画の撮影を依頼することはあり得ないと言っていいでしょう。いわゆる“対立候補説”も同じです。嘘の情報拡散に手を染めるのですから、発覚すれば名誉毀損を問われる可能性があります。有権者の信用を失って政治生命は終わりを迎えるかもしれません。またハイリスクな工作にしては、リターンが少ないのではないでしょうか。石丸氏の“名声”を貶めようと工作を仕掛けても、石丸陣営が堂々と反論すれば終わりです」
[1/3ページ]