あえて最下級の「二等兵」を選んだ2人の東大出身者 それぞれの「筋」と「意地」の通し方

国内 社会

  • ブックマーク

 太平洋戦争の戦況悪化に伴い、多くの若者が軍隊に駆り出された。東京帝国大学のエリートたちも次々と招集され、慣れない軍隊生活を始めることになった。

 入隊後数カ月で幹部候補生となる東大出身者も多かったが、中にはあえて二等兵であり続けることを選んだ者もいた。日本思想史研究者・尾原宏之さんの新刊『「反・東大」の思想史』(新潮選書)から、そのような道を選んだ東大出身者2名を紹介しよう。

 ***

 1943年10月は、学生・生徒の軍への徴集猶予が停止され、いわゆる学徒出陣が始まった月である(神宮外苑の出陣学徒壮行会は21日に挙行)。...

記事全文を読む

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。