「直接言ってくれればいいんだけど」阪神・岡田監督の「メディアでコーチ批判」にコーチ自身が思っていること
藤本コーチの判断に
一方の藤本コーチは、「クッションも完璧に返ってきたというのもあったし。あとはもう送球がそれるものちょっと願っていたけど。どっちが正しいかって言ったらちょっと分からないですけど、自分自身の中では勝負しにいって、ああいう結果になった」とコメントした。
「ここに至る伏線と言うか前歴がありまして、6月21日の横浜DeNA戦では同点で迎えた9回裏2死1、2塁の場面で、小幡のライト前ヒットで藤本コーチは2塁走者の植田を本塁に突入させ、サヨナラとなりました。前進守備を敷いていたこともあってタイミング的にはアウトでしたが、送球が逸れたことが奏功しました。一方、6月15日の日ハム戦では、原口のライトへのファウルフライで3塁からのタッチアップをストップさせています。ライトを守っていた万波の肩の抑止力に負けたなどと指摘されましたが、万波の取っていた体勢からなかなかストライクの送球が本塁に返ってくるとは思えなかったですね」(同)
岡田監督は横浜DeNA戦での判断を称えたが、日ハム戦のタッチアップ未遂については非難した。
メディアを通じて監督の考えが披露されてしまう
30日の8回の継投についても容赦なく投手コーチが断罪されている。
「岡田監督の一問一答はメディアで忠実に再現されているのでご存じの方も多いことでしょう。なかなかクセがあると言いますか、字面だけ見ると“いやいや”とか“お前”などといった言葉が頻出して誤解を招きかねない部分もあります。隠すところがなくファンや読者にとって本音を知る貴重な機会だと思います。ただ、コーチ陣の中にはメディアを通じて監督の考えが披露されてしまうことにストレスを抱えている人もいるようです。“直接言ってくれればいいんだけど、監督はそうじゃないんだ”と本音を吐露したこともありましたね。もちろん、コーチや選手にメッセージを伝えるのも監督によって色んなタイプがあります。例えば野村克也監督も会見でボヤいて批判めいたことを口にしましたが、一方でみっちりミーティングする中で的確な指摘もしていたので、それなりに納得感が得られるというか、言われた側も救われる部分があったようです」(同)
岡田監督をめぐっては「今シーズンで勇退」との見方がないわけではない。その立場からすれば、自身が監督を勇退しても「しっかり独り立ちしてほしい」との親心からつい厳しい言葉が口をついて出るということなのかもしれない。
いずれにせよ、チームの状態が良ければこの種の「断罪」もそれほど出てくることはなかっただろう。何よりも勝利が求められるということだけは間違いない。