「切り札は49歳イケメン元キャリア」も 「非主流派にだけは絶対なりたくない」岸田首相以外のキーマンたちの思惑

国内 政治

  • ブックマーク

主流派は「岸田再選」には乗れず

 自民党内では9月の総裁選に向け、「アンチ岸田発言」が目立って報じられるようになってきた。麻生派や茂木派の所属議員が会合などで退陣論をぶち上げる一方、総裁選のキーマンの1人である菅義偉前首相も文藝春秋のインターネット番組で「このままでは政権交代してしまうとの危機感を持つ人は増えている」などと発言するなど、「岸田包囲網」が徐々に狭まっているようにも見えるが、実際はどうなのか。

 自民党は岸田首相の鶴の一声で派閥が解消されたとはいえ、旧派閥は従前ほどではないにしてもそれなりにまとまりをもって活動しており、その勢力分布は、旧安倍派が35%、麻生派、茂木派、旧岸田派、菅グループ、そして旧二階派が10~15%ずつといった状況だ。

「岸田政権の主流派は旧安倍派、旧岸田派、麻生派、茂木派でした。安倍元首相が亡くなって以降、旧安倍派は足並みが乱れましたが、内閣支持率がそれなりのレベルを維持していれば、この勢力をベースにして総裁選での『岸田再選』を狙うシナリオもありました。が、支持率の低位安定に加えて首相と茂木敏充幹事長との関係悪化などにより、すでにそのシナリオは崩壊してしまいました」

 と、政治部デスク。

主流派の立場を絶対に手放したくない

 その茂木氏は首相・総裁の座を悲願としているが、党内での支持率や世の中での認知度・期待度ともにかなり低いままだ。

「主流派のキーマンである麻生太郎副総裁も“茂木氏の人気のなさ”を深刻に受け止めているそうです。関係性からすれば茂木氏を推したいところでしょうが、“茂木じゃ勝てない”というのが本音なのでしょう。麻生氏は党内で小泉純一郎元首相以上に変人扱いされ、長らく非主流派の道を余儀なくされてきました。せっかく掴んだ主流派の立場を絶対に手放したくないという思いがあるようで、“とにかく勝てる候補を作る、勝てる候補に乗る”とのスタンスだということでしょう」(同)

 政権がぐらつけば勢いを増すのが、冷や飯を食わされてきた非主流派ということになる。

「非主流派のキーマンが菅氏ですね。菅氏には、石破茂元幹事長、加藤勝信元官房長官、小泉進次郎元環境相など、推せる手持ちの候補が複数いることが強みでしょう。加藤氏に関しては麻生氏も相乗りできる候補ではありますが」(同)

次ページ:麻生、菅両氏の関係の実態

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。