大谷翔平の両リーグMVPに影を落とす“ジャパンバッシング”の正体 大物も横ヤリ? ロス五輪絡み「かつてないほど米球界の反感は高まっている……」

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日本人のNVP受賞は不愉快?

 大谷自身も投手としてプレーしないことによる負担減を利点に挙げている。

「(今季は)確実に運動量が少ないので、リカバリーはしっかり取れるのは間違いないと思います」

 そして、技術面に関しても「やっぱり毎年毎年、経験を重ねるごとに打者としても成長できているので、そこがいい成績には結び付いているのかな」と言うように、確固たるものを築き上げた自負をのぞかせる。今の大谷には鬼門とされる夏場の不調も杞憂に終わる気配が漂っている。

 ここに来て米メディアのMVP予想でも、軒並み最有力候補に挙げられている。5月までは大谷をリードしていたベッツは長期離脱を免れず、ブランクを取り返すことは容易ではない。6月の猛打で浮上してきたブライス・ハーパー内野手(フィリーズ)も月末に故障離脱した。昨季「40本塁打、70盗塁」をクリアし、MVPに輝いたロナルド・アクーニャ外野手は5月下旬に左膝の前十字靱帯断裂の大けがで早々と今季絶望になっている。大谷の独走MVPの可能性さえ膨らむ。

 しかし、長年、メジャーで活動する米大手マネジメント会社の代理人は、大谷が突出した成績を残せないようだと、予断を許さない展開になるとみている。

「そもそも日本人がMVPを取ることを快く思っていない風潮が一部に残っています。しかも、今はそれが強くなっているように感じます。かつてないほど日本選手に対する反感は高まっています」

日本野球に警戒感

 その背景を突き詰めると、米球界の日本野球の強さへの警戒感にたどり着くという。

 米国はメジャー選手主体で固めた昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝では大谷擁する日本に敗れた。2028年には野球競技が復活するロサンゼルス五輪が控えている。

「自国開催の五輪ではメジャーリーガーが参加するかもしれません。そうなればアメリカは金メダル以外、許されなくなるでしょう。ベースボール発祥国の威信を懸けた戦いとなって、その最大の敵が日本というわけです」(同代理人)

 昨オフには大谷が10年総額7億ドル(約1015億円)のスポーツ選手最高額で契約した。山本由伸投手は12年総額3億2500万ドル(約463億円)の投手史上最高額でドジャース入りした。

「日本人が投打でトップに立ったことを苦々しく思っている米球界関係者は少なからずいます。ヒットメーカーだったイチローさん(元マリナーズなど)に対し、特に大谷はアメリカが自負してきたパワーで、投打に上回っています。これは認めがたい事実で、MVP争いでは些細なことでもケチをつけて選出を阻もうとするムードが燻っているように感じます」(同)

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