「指をちぎるぞ」発言はウソだった――6代目山口組の3次団体幹部らが「脅迫で逮捕」後に不起訴となった事情とは
司法書士も逮捕
6代目山口組の3次団体の幹部の口から「指をちぎるぞ」などといった物騒な言葉が発せられたことが話題となった脅迫事件については、すでにお伝えした(「指をちぎるぞ」――司法書士が6代目山口組の3次団体幹部にトラブル解決を依頼後に「脅迫で逮捕」の真相とは)。3次団体の幹部や司法書士の女性らが暴力行為処罰法違反の疑いで5月末に逮捕されたのだが、このほど不起訴処分になったという。実際に何が起こっていたのか。
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当初、暴力行為処罰法違反の疑いで逮捕されたのは、6代目山口組3代目弘道会野内組のA舎弟頭と、50代の司法書士の女性ら複数人だった。
「今年3月9日、A舎弟頭と司法書士らは、被害者の男性B氏を自宅に呼び出し、“指をちぎるぞ”“帰られへんぞ”などと脅迫した疑いがもたれていました。暴力行為処罰法違反というのは通常の暴行・脅迫罪よりも重く処罰される犯罪で、A舎弟頭らが組織の名を出してB氏を脅した可能性が指摘されていました」
と、担当記者。
司法書士はダマされていた
B氏と会社の代表権をめぐって係争中だった司法書士が、B氏側に提訴を取り下げさせようと考え、A舎弟頭に依頼。それを受けての呼び出し、脅迫という流れだと思われていた。
「被害男性B氏から被害届を受理した兵庫県警が捜査を進め、A舎弟頭のほか野内組からはC若頭補佐ら6人が同容疑で逮捕されました」(同)
関係者によれば、B氏は事件発生当時、現役の野内組の構成員だったという。
司法書士がB氏にダマされて事務所の経営権を奪われたと提訴したのに対し、B氏は反訴で応じていたという。
ここで司法書士は以前から知り合いのA舎弟頭を頼る。紛争解決のために暴力団員を頼るというのは、かつてはよくあったが、近頃ではかなり珍しい。反社会勢力と接点を持った時点で当局から目を付けられ、時には摘発されることもあるのだ。
「司法書士もA舎弟頭に相談することのリスクを重々承知していたようですが、そもそも舎弟頭とB氏とは同じ組織にいるのだから内々のやり取りで事態を収拾できるかもしれないとの期待感があったのかもしれません。で、自宅に関係者を招集し、解決を図ろうとしたようです」
と、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は、NPO法人「五仁會」を主宰)。
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