「人気校の“実質倍率”は…」「教室選びの前にやるべきこと」知られざる「小学校受験」の実態と勝ち筋とは

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SNSの情報

 さて、肝心な教室選びさえ済めば、あとは受験まで一直線といきたいところ。その過程で受験に臨む家庭を惑わすのが、SNS上に蔓延る様々な情報だ。学校側が入試問題や評価基準を公にしていないことが多いため、ブラックボックスと化しているのが小学校受験の特徴といえる。それゆえに、ネット空間では、経験者が特定の小学校の対策記事を数万円単位で販売している実情があるのだ。

「個人が高額で販売するような記事に、核心に触れる情報はほとんどありません」

 と先の狼侍氏。

「よく、『個人情報を含むので有料にさせていただきました』として、数万円もの価格を設定している記事を見かけます。大切な個人情報であるなら、5万円でも10万円でもネット上で出せるものではないはずですから、詭弁であることは明らかでしょう。どんな場合でも、センシティブで本質的な情報は、みだりにSNSなどで公開することはなく、一定の信頼関係がある相手にのみ伝えられるものではないでしょうか。ウェブ上で情報発信をしている身としては、半ば自己否定に繋がってしまう面もあるのですが、SNS空間の情報には惑わされないよう注意すべきだと思います」

 だからこそ、特定の小学校の対策ではなく、データの分析や、戦略の立て方などの発信に注力しているという狼侍氏。その目線から、「ネットよりも、リアルな人間関係を構築していくべき」とも話す。

「やはり、SNS上の身元の分からない人との繋がりと、直接顔の見えている関係性は、質が違います。受験経験者の“本音”は、直接の信頼関係があってこそ聞くことができるものですし、紹介制の個人教室への伝手も得られるかもしれない。その意味で、小学校受験に臨むことを、勇気を出して周囲に対して伝えることも重要だと思います。『そういえばあの人が私立小の出身だったよ』と、経験者と繋がれる可能性も広がることでしょう。ご縁は思わぬところに転がっているものです」

 小学校受験が「誰でも目指せる」選択肢になったとはいえ、情報との向き合い方が問われる世界ともいえそうだ。先に述べた有料記事では、「教室選び」以外にも、元私立小教員による「学校側が見ているポイント」など、小学校受験の“勝ち筋”について、約7000字にわたって紹介している。

デイリー新潮編集部

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