「高校デビューに失敗して根暗そうな男に話かけ…」 現代美術作家・パピヨン本田が語るロックンロールとの出会い
「オリジナリティー信仰」をぶち壊したバンド
高校生活の中ごろには、現代美術にも傾倒し始めて、将来の夢が美術作家になります。
人のまねをせず、とにかくオリジナリティーを模索する美術の先人たちに憧れました。誰のまねもしないオリジナリティーこそ作家に必要なことだと信じるようになります。
でも、その考えをぶち壊したのが「毛皮のマリーズ」というバンドでした。自分の黒船。
マリーズは昔のロックのオマージュというより、もはやパロディーかと思うような曲に、日本語のやったらいい詞を乗っけて歌うバンドでした。大体の曲にネタ元が見えるけど、それを隠す気は見えない。曲によってはデヴィッド・ボウイとかイギー・ポップのカバーなんじゃないかと思っちゃうくらい。でもそれを、フロントマンの志磨遼平(しまりょうへい)が歌うと、なぜかめちゃくちゃ唯一無二でかっこいい。現代美術のオリジナリティーを浴び続け、パロディーやオマージュなんてだせえと思ってた自分の価値観がまたズレます。
自分の漫画を読んだことがある人は分かると思いますが、パロディーだらけです。それはたぶん志磨遼平のせいです。
そういえば、去年久しぶりに小林に会ったのですが、すげえ明るくなってました。社会人デビューしてました。
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