「動物たちは機能を失っても楽しそう」 獣医師・北澤功が考えた「老いにおびえる人間とどちらが幸せなのか」

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落ちた機能を受け入れる方が幸せ?

 動物たちは失われたものはあっさり認め、残った機能で楽しく過ごし、今ある機能を最大限利用して、年を取っても幸せそうです。僕たち人間はどうかというと、目が見えにくくなると元に戻そうと頑張り、足腰が痛くなると歩けなくなる不安におびえます。動物たちのように残った機能を精いっぱい使い、落ちた機能を受け入れて生きていく方がずっと幸せそうに思えます。

 そんな僕も、疲れを取るため怪しいドリンクを飲み、関節と目のためのサプリをせっせと飲んでいます。衰えを受け入れることができず、精いっぱい老いに抵抗しています。尊敬する動物たちを見習いたくも、人生の相棒である妻と共に無駄な抵抗をするというのも、今の僕には幸せなのかも。

北澤 功(きたざわ・いさお)
1966年長野県長野市生まれ。動物園に獣医として勤務後、都内に五十三次どうぶつ病院を開院。近刊に『妄想お金ガイド パンダを飼ったらいくらかかる?』。

デイリー新潮編集部

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