50歳にして韓国で突如ブレイクした無名歌手・歌心りえは何者? 「有名になった実感はない」

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日本の曲の良さを再認識

 歌心は、そんなヒット番組「日韓歌王戦」が生んだスターである。

「95年に音楽ユニット『レティットゴー』でデビューし、ポカリスエットのCMソングを歌うなどした彼女はその後、さまざまなグループに参加したり、ソロ歌手として歌ったりと地道に活動を続けてきました。近年は、夫が営む東京・下北沢のライブレストランで年に3~4回、自身のライブを開催していたようです」(レコード会社関係者)

 このたび、大ブレイクを果たした理由は、

「根底には圧倒的な歌唱力の高さがあるでしょう。同番組で彼女が歌った中島美嘉さんの『雪の華』はユーチューブで392万回も再生されており、日韓両方の言葉で歌のうまさをたたえるコメントが相次いでいます。今時の韓国の中高年は、海賊盤やカバー曲で日本の音楽に親しんできた世代。そんな彼ら彼女らが歌心さんを通して、日本の曲の良さを再認識しているのです」(前出の金氏)

「思いっ切り歌えない恐怖心を克服できた」

 同番組に出た経緯を歌心本人に尋ねると、

「昨年の夏、前に所属していた事務所の方がオーディションを勧めてくれたんです。私は歌謡曲が好きだったので、ウェブから応募してみたら運よく合格できてしまい、現在に至っています。正直、テレビに出て有名になったという実感はいまだにありません」

 こう明るく語るが、下積みの苦労も経験してきた。

「実は数年前から声が出なくなっていました。いちど声帯を壊したことで、思いっ切り歌えないという恐怖心が芽生えてしまったからでした。オーディションを受けたのは、ちょうどそんな状態から復活しようともがいていた時で、夫から“君には歌しかない”と励まされ、なんとか恐怖心を克服できたんです」(同)

 9月には先のライブレストランにて、1日2回の公演で各回40名限定のライブを開催予定である。つい先日、チケットは即売り切れたそうだが、さすがは苦労人だけあって、これまでと同じ地道な活動を続けていくのだろう。

週刊新潮 2024年6月27日号掲載

ワイド特集「風待月の突風」より

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