東海岸のチームにめっぽう強い菊池雄星が今夏トレードの目玉に…まさかのヤンキース入りも

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勝敗だけではわからない貢献度

「彼の代理人はスコット・ボラス氏(71)です。年俸を吊り上げる交渉術に長けており、昨年オフの段階で『菊池を残留させるには3年4500万ドル以上(約63億円)が必要だ』という予想記事も報じられました。菊池本人もさることながら、ボラス氏との交渉も何かと大変なことになるでしょう」(米国人ライター)

 菊池はメジャー移籍6年目。過去5年間の通算成績は134試合に登板して、32勝(37敗)。ずば抜けた成績ではないが、「3年4500万ドル以上」という金額には、それなりの根拠もあるのだ。

 代替可能選手と比較し、どれだけチームの勝利に貢献しているかを数値化したWAR(Wins Above Replacement)という指標がある。数値は「攻撃指標+走塁指標+守備指標+投手指標」の複雑な計算式で弾き出され、多くの米メディアやファンサイトでも随時更新されている。数字が高ければ高いほど勝利に貢献したことになるが、昨季後半から、選手を具体的に評価する、ある野球ファン向けサイトが話題になった。

「ファングラフス」というサイトで、WAR値をもとに、選手の“実年俸”を算出している。ここでは「WARの1.0ポイントは、年俸800万ドル(約11億7000万円)に相当する」というのだ。特異な算出法を用いるためか、同サイトのWAR値は他サイトとは異なるが、米国のファンの反響は高く、「あそこのチームの主力選手はちゃんと年俸分の働きをしているのか?」と言いながら楽しんでいる。

 この「ファングラフス」で紹介された菊池の昨季のWARは「2.6」。昨季と今季に受け取る年俸は1000万ドル(約14億円)だが、この計算式に当てはめれば「2080万ドル(約33億4000万円)分の働きをした」ことになる。あくまで計算上とはいえ、「3年4500万ドル」が決して無茶な金額ではないことになる。

「投手として、勝敗以外で評価される点について言うと、菊池はマリナーズ時代にロングリリーフも務めました。成績が振るわず、先発を下ろされての登板でした。本人は不本意だったと思いますが、優勝を争っている監督からすれば、使い勝手の良いピッチャーです。レフティーですし、ポストシーズンマッチに入ったら、先発と救援のどちらでも使えます。初戦に先発させて4戦目以降でリリーフ待機させることも可能です。過去5年間のメジャー生活で、肩や肘の大きな故障もありませんでした」(前出・同)

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