東海岸のチームにめっぽう強い菊池雄星が今夏トレードの目玉に…まさかのヤンキース入りも

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菊池放出は既定路線?

 ブルージェイズの菊池雄星(33)が「今夏の主役」となりそうだ。

 6月28日(現地時間、以下同)のヤンキース戦では、3回までパーフェクトピッチングながら6回につかまり、マウンドを降りた。その前の登板は6月23日のガーディアンズ戦だった。「プログレッシブ・フィールド」のマウンドに立った菊池は、3回途中で降板。被安打8、与四球1、失点4で敗戦投手となってしまった。ここまでの今季成績は4勝8敗、防御率は4.18。それでも、メジャーリーグ上位チームの編成担当者は、熱い視線を送っていたという。

「23日の菊池は少し気の毒でした。3イニング目のマウンドでは四球と3連打で1点を失い、なおも無死満塁のピンチだったのに、試合前から降っていた雨がさらに激しくなり、その状態で30分以上も中断してしまったんです。試合再開と同時にリリーフ投手が告げられましたが、ぬかるんだマウンドでコントロールが定まらず、連打も食らいました。菊池が出した走者なので、記録上で彼の失点となったのです」(地元メディア関係者)

 確かに菊池自身の調子も下降ぎみだ。それでも「主役」として菊池の名前が出るのは、メジャーリーグの夏の風物詩とも言える「フラッグディール・トレード(下位に低迷するチームが主力選手を放出し、地区優勝を争っているチームから若手をもらう交換トレード)」のためだが、今季のブルージェイズは完全な「売り手」側となってしまった。

 ブルージェイズは敗戦を重ね、79試合を終えたところで36勝43敗。ア・リーグ東地区の最下位に沈んでおり、首位・ヤンキースとのゲーム差も「15」と大きく開いている。

「菊池は味方打線の援護に恵まれないケースが多く、4勝7敗と黒星が先行しています。6月に入って調子を落としていますが、23日のガーディアンズ(4失点)と17日のレッドソックス戦(5失点)がなければ、防御率は3点台前半でした。96マイルの直球を投げられるレフティー(左投手)はメジャーでも数える程度しかいません」(前出・同)

 3年3600万ドル(約41億4000万円/当時)の大型契約も今季で満了する。水面下で残留交渉も行われていると思われるが、先のガーディアンズ戦が終了した直後のこと。ブルージェイズのコミュニティサイト「ブルーバードバンター 」で、

「菊池の懸念材料はパッとしない調子が継続している。チームにとって痛手なのは、(敗戦よりも)トレードが実現したときに菊池の価値も暴落してしまうことだ」

 という記者コラムが掲載された。菊池を放出し、複数のトッププロスペクト(将来有望な若手)をもらう流れが、あたかも“既定路線”となっているようだ。

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