【能登半島地震から半年】自衛隊の派遣日数は東日本大震災超え 「置き去り」にされた被災地の厳しい現実

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復興の兆しの見えない現実

 置き去りにされた被災地――。

 それは、被災者の暮らしを見ても明らかである。珠洲市清水町では、いまだ水道が通らないため、路上に設置された洗濯機を集落で共同利用している。山水をくみ、浄水器を通してそれを洗濯に用いるという。

 また道路についても、なお無残な姿をさらす。能登半島を一周する国道249号線、珠洲市仁江(にえ)町の土砂崩れ現場では、道を塞いだ土砂を除去することができず、輪島市と珠洲市は分断されたまま。地震によって隆起した海岸を利用して新たな道が造られていた。

 そして震災の象徴ともなった輪島の朝市の火災現場。やっとのことで公費での建物の解体が始まったのは6月5日のことである。撮影した6月20日にはほぼ片付けられていたが、それでもなおあたりに残る焦げ臭さは、元通りにするまでの復興の道のりの困難さを示しているかのようだ。

撮影・頼光和弘

週刊新潮 2024年7月4日号掲載

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