「ようやくプロポーズの約束を果たせる」 作家・逢崎遊が語る、8歳年上の恋人の“容赦ないダメ出し”

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彼女と作り始めて18作目で…

 しかし、面白い小説には何が大事なのか、自分の強みはどこなのか、多くの作品を書いて経験値を得た末に、「これだ」という作品が完成した。彼女と作り始めて18作目のことだ。結果、その小説は新人賞を受賞するに至る。きっと賞を取るという意識より、彼女に面白いと言わせる作品を書くことで、今の逢崎が形作られたと思っている。

 受賞の連絡が来た時に、誰よりも隣の彼女が泣いて喜んでくれた。実を言うと私は、私を信じて共に走り続けた彼女を後悔させなかったことが、何よりもうれしかった。

 これでやっと約束が果たせる。プロポーズは、これからしようと思う。

逢崎 遊(あいざき・ゆう)
1998年、沖縄県生まれ。桑沢デザイン研究所卒。2023年に「正しき地図の裏側より」で小説すばる新人賞を受賞。同作が24年2月に単行本として出版された。

デイリー新潮編集部

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