清原和博の長男、慶大・清原正吾を「ドラフト候補」と呼べない“決定的な理由”

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スカウト陣の反応は……

 もうひとつ、支配下指名の可能性が極めて低い理由が、打撃以外のプレーに飛び抜けたものがない点だ。

 脚力と肩の強さがあれば、他のポジションへのコンバートが考えられる。だが、筆者が、これまでのプレーを見ても、目立ったパフォーマンスは見られない。

 一塁までの到達タイムは、右打者の場合、4.20秒を切れば、ある程度のスピードがあると見られる。筆者が計測した限りでは、清原の最速タイムは4.30秒で、ほとんどが4.5秒以上だった。決して鈍足ではないが、足を武器にできるレベルにはない。前述したように、盗塁は一つも記録していない。実際、リーグ戦での通算盗塁数も0である。一方、肩については、スローイングの強さがあるわけではない。

 筆者の現地取材で、スカウト陣の動きを観察したが、清原の打席を撮影する姿を見たことはない。また、清原のプレーについて、スカウト陣からコメントが出たことも、筆者がスカウト陣から感想を求められたこともない。そういった現場の雰囲気からも、今秋のドラフトで支配下指名の対象として、清原を視察している球団はないと断言してもいいだろう。

 今秋のリーグ戦で、スカウト陣が驚くような活躍ができれば、育成でのプロ入りが見えてくる可能性も否定できないが、清原が果たしてそれを選ぶだろうか。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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