強烈なメイクで音楽番組を席巻…「X-POP」って何? 韓国での「評判」と“後ろ盾”エイベックスの「思惑」

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

儲かるライブ事業で収益

「韓国のK-POPファンを不思議がらせているのは、“X-POP”を自称しながらも韓国の音楽番組やリアリティー番組、K-POPの世界的フェス・Kconにはしっかりと出演していることです。日本の音楽番組でも披露した新曲『WOKE UP』も、渡日前に出演した韓国の音楽番組でパフォーマンスしていました。それでも韓国語曲を歌わない独自路線について、現地視聴者は『K-POPへの尊重がない』と批判的で韓国でのセールスは下降気味です」(前出の芸能デスク)

 世界各地の音楽売り上げデータを取り込んでいる集計サイト・HANTEOチャートによると、昨年9月発売の「NEW DNA」は初週売上約4万6000枚を売り上げ、デイリーフィジカルアルバムチャート(10月4日付)で2位に上がったが、最新作の「WOKE UP」は同3万余と失速気味だ。

 エイベックスCEOの黒岩克巳氏が米Billboard誌のインタビューを受けた際、「X-Galaxyプロジェクトも1~2年で終わることなく、10年、20年と続けていくことで日本人アーティストが世界のメインストリームで活躍できるようになれば。その突破口がXGになれば本望です」などと答えていたが、それだけの時間的な余裕が果たしてあるのか。
 
 エイベックスは5月、2024年3月期(23年4月~24年3月)の連結決算を発表した。売上高は1333億8700万円と前期比9.7%増だったものの、営業利益16億3300万円(同51.7%減)、経常利益15億0600万円(同62.9%減)、最終利益9億8700万円(同64.0%減)と低調だった。同社は「IP創出のための投資を継続したことに伴う費用増加が収益を圧迫した」としており、X-Galaxyプロジェクトへの投資が重荷になっている可能性は捨てきれない。

 5月の大阪と横浜を皮切りに初の世界ツアーをスタートさせたXGは今後、7月からソウル、台北、シンガポール、8月にマニラ、バンコク、クアラルンプールでアジア公演を行う。そのほか、10月からはラスベガスを皮切りに、ロサンゼルス、サンフランシスコ、グランドプレーリー、シュガーランド、ダルース、ニューヨーク、シカゴの全8都市で北米公演を実施。11月からはマンチェスター、ロンドン、ベルリン、パリ、デュッセルドルフ、ブリュッセル、アムステルダムで欧州公演を行う。

「最近はCDの購入を手控えてライブ公演を選ぶファンは多いですし、アーティスト側も儲かるライブ事業で収益を得ることに力を入れています。今後のXGの活躍は、K-POP人気が強い東南アジアや欧州で“X-POP”という独特な路線がどう理解されていくのか、にかかっていますね」(同)

 9月1日には4年ぶりにエイベックス主催の夏フェス「a-nation」が東京・味の素スタジアムで開催される。浜崎あゆみの集客力が大幅に低下するなか、世界ツアーの合間を縫ってXGが初登場すれば大きな話題となるだろう。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。