「今でも忘れられないボツになったキャラクターは…」 「相棒」のシナリオライターが語る登場人物との別れ

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スクリーン越しで再会できるように

 シナリオの終盤、予知夢によって悠太と真琴の未来に残酷な運命が待ち受けていることが発覚する。それでも悠太は真琴との結婚を選択した。未来がどうあろうと、今、目の前にある幸せを手離したくはない。それは私自身の選択でもあった。妻と結婚して来年で10年になる。

 一度ボツになった企画だが、今でも映画化のチャンスを狙っている。10年前にシナリオの中で出会った志村悠太とスクリーン越しに再会できるように。ただ、いくら心情を投影した分身のような存在だったとはいえ、自分の名前をもじって「悠太」と名付けているのは、今となっては小っ恥ずかしい。

川崎龍太(かわさき・りゅうた)
1985年生まれ。神奈川県出身。シナリオライター。ドラマ「相棒」「特捜9」「遺留捜査」、映画「アキはハルとごはんを食べたい」「神田川のふたり」など。

デイリー新潮編集部

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