ジジジッ…受付で「放射線科」の文字を見て「がん」だと確信 見栄晴、「ステージ4」と診断された今

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機械に診察券をかざしたら…

 総合病院に電話して、看護師さんから言われたとおりに「耳鼻科で、『たぶん、がんだから、早く診てもらってください』と言われました」と伝えたら、「明日、どうですか」と、すぐに予約が取れました。

 翌日(11日)に総合病院の耳鼻咽喉科に行って、診察を受けました。結果は「下咽頭がんの疑いが強い」ということでした。その時、先生に「がんだとしたら、薬で散らすことはできますか」と聞いたら、「そういう状況ではないと思います」と言われて、「かなりやばいのかな」と思いました。

 その日は精密検査を受けて、帰りました。

 結果が出たのは、1週間後です。実は、先生から告げられる前に、がんだと分かりました。病院に行った時、まず初め、機械に診察券をかざして、受付の紙をもらうのですが、その紙がジジジッと出てきた。そこには、「耳鼻咽喉科、午前9時」の文字の下に、「放射線科」と書かれてあったんです。その時点で、「自分はがんなんだ」と確信しました。

 診察室には、耳鼻咽喉 科の先生、部長先生、看護師さん2人がいました。告知されたのは部長先生からで、「下咽頭がんのステージ4です」と言われました。「ステージ4は一番重いんですか?」と聞くと、「そうです」と言われました。

 治療は、手術ではなく抗がん剤治療と放射線治療を選びました。まずは耳鼻咽喉科の先生と話し、その後、放射線科にも行く必要がありました。抗がん剤治療は耳鼻咽喉科で、放射線治療は放射線科で治療を受けることになったんです。そうした仕組み自体がよく分かっておらず、治療がどう進むのかを理解するのに時間がかかりました。混乱しつつも、様々な検査などで、あっという間に1日が過ぎました。

 治療を始めるにあたって、CT検査やPET検査も必要でした。がんが進行しているかどうかを確認するためです。PET検査は他の病院で受けなければならず、急いでその後のスケジュールを決めていきました。

 放射線科の女医さんは私のことを知っていて、「藤本さん(見栄晴の本名)、頑張りましょう、チームとして」と言ってくれました。その時に、病院全体が一つのチームとして治療に取り組んでくれてるんだなと感じました。抗がん剤は3回打ち、放射線は35回あてる治療が必要で、そのスケジュールも詳細に説明されました。

「不意打ちをくらった感じ」

 治療は7週間なんですが、抗がん剤治療は1週目、4週目、7週目。放射線治療は7週間の期間中平日全て行うスケジュールでした。最初の抗がん剤治療が始まったのが2月5日です。初日に抗がん剤を投与し、そこから1週間入院して、日曜日に退院する。その後、2週間、通院で放射線治療を行うというスケジュールです。

 約2カ月の治療後、約1カ月間休んで、今年4月末から仕事復帰しました。治療はいったん、終わりです。ただ、がんが「完治」したとは絶対に言えない。今は、「経過観察」の状態です。いつ再発してもおかしくありません。定期的に診てもらう必要があるため、1カ月に一度のペースで病院に通う予定です。

「闘病」って、病と闘うと書きますが、自分はあまり闘った気がしない。訳が分からず、不意打ちをくらった感じでした。

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 第2回では、見栄晴が経験した抗がん剤治療と放射線治療の詳細を伝える。

見栄晴
1966年、東京都生まれ。15歳の時、テレビ番組「欽ちゃんのどこまでやるの!?」で人気に。1998年から、CS放送「競馬予想TV!」でMCを務める。

デイリー新潮編集部

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