聖光学院は東大「現役合格率」が突出…卒業生が明かす「教員」の圧倒的な熱量 「情操教育」で“考える力”

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受験を共に戦う仲間意識

 重ねて「なぜ聖光学院の東大現役合格率が高いのか」をストレートに聞いてみた。

「多くの生徒が東大を受験することで、受験を共に戦う仲間という意識が強くなり、心の支えになっています。また、定期テストの結果に応じた選抜クラスを作り、学校の授業に集中させることで、生徒たちの努力を促しています。このような競争環境が生徒の学力向上に寄与しているのでしょう」

 彼自身も現役で東大に合格。勉強法は、社会・国語・数学・理科については学校の勉強と参考書を活用し、過去問は学校で添削してもらっていたとのこと。英語については中学1年生から高校2年生まで塾に通い、そこでの勉強を中心に行った。学校の授業は演習として活用していたそうだ。

 東大に進学して良かったことについては「レベルの高い同級生が周りにいることで常に刺激を受けています。また、日本トップのファカルティやリソースにアクセスできることも大きなメリットです」と満足そうだ。

 最近、聖光学院は「過熱する受験戦争に新風を吹き込む“革命児”」などとメディアで呼ばれている。これについて感想を求めると「聖光学院での取り組みは受験戦争の風潮を阻害するロールモデルにも、助長するロールモデルにもなると思います」と慎重に語った。つまり、東大受験における塾偏重には一石を投じているものの、東大受験の過熱化そのものについては助長してしまう側面があるということだ。

 今回のインタビューで、聖光学院の成功は塾に頼らない教育方針と、生徒1人ひとりに対する教員の熱量、個別の配慮が組み合わさった結果であることが分かった。このアプローチは、他の進学校や難関中高一貫校を目指す受験生と保護者にも、新たな視点を提供していくことだろう。

デイリー新潮編集部

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