「事件の1週間ほど前も仲良く散歩して…」 品川母子4人死亡、46歳無職父の“身勝手過ぎる”動機とは
ふだんは買い物客でにぎわう東京都品川区の戸越銀座商店街は、今年5月23日の午後、警察や消防の車両が出入りし騒然とした雰囲気に包まれていた。
商店街のそばの一軒家に住む、介護福祉士の高波冬美さん(37)と3人の子どもが、寝室で首や胸などを刺されて亡くなっているのが見つかったのだ。しかも室内は一部が焼けており、すすで真っ黒になった高波さんの元夫が搬送されていた。
それからおよそひと月後の6月19日。警視庁は、高波さんを殺害したとして、元夫で無職の後藤祐介容疑者(46)を殺人容疑で逮捕した。喉のやけどなどで入院していた後藤容疑者の退院を待ってのことだった。警視庁担当記者によると、
「後藤容疑者の話では、事件発覚3日前に離婚が成立し、“家から早く出ていけ”と言われて激高し高波さんの胸などを包丁で突き刺したといいます。さらには、“お母さんが死んでお父さんが捕まると、残された子どもたちがかわいそうだと思った”とも話している」
仲むつまじい5人家族
子どもは、小学1年で長女の後藤鈴(りん)さん(6)、いずれも保育園児の次女・玲(れい)ちゃん(3)と長男・信(しん)ちゃん(2)。
「その子らの目の前で後藤容疑者は高波さんを殺害し、3人にも手をかけた。挙げ句、自らの首を傷つけて自殺を図り、“すべて燃えてなくなればいい”と考えて火をつけたのです」
あまりにむごい殺人事件は、身勝手極まりない動機によって引き起こされた。
だが、高波さん宅の近隣や商店街に、なんらかの前兆や異変を感じていた住民はいない。それこそ事件直前まで、仲むつまじい5人家族と見られていたのである。
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