菅前総理が仕掛けた「岸田おろし」の舞台裏 「河野太郎」「茂木敏充」「加藤勝信」…総裁選“代理戦争”の気になる行方

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「権力への返り咲き」

 菅氏が「岸田おろし」へ動く背景について、前出の政治部記者はこう話す。

「菅氏自身は周囲に『首相への再登板はない』と語っているそうですが、キングメーカーとして権力にアクセスする野心は捨てていない。そのため総裁選では自身が影響力を行使できる候補を立てるともっぱらの噂です。実際、6月には二階派事務総長だった武田良太氏や萩生田光一・前政調会長らを交えて菅氏は加藤勝信氏と会食しています。総裁選の有力候補である茂木敏充・幹事長や河野太郎・デジタル相は“因縁”の麻生太郎・副総裁と近く、組むことはできない。次善の策として、菅氏にとって“何かとモノが言いやすい”加藤氏が浮上したといいます」

 菅氏と麻生氏の確執もやはり21年の総裁選時に遡るという。菅総理(当時)は国民人気の高かった河野氏を党の要職に起用する“ウルトラC”で支持率と求心力の回復を狙い、河野氏が所属する麻生派のボス・麻生氏に相談。しかし麻生氏は頑として首をタテに振らず、結局、菅氏は総裁選への出馬も取りやめる事態へと追い込まれた。

「一方の岸田首相も9月の総裁選に出る気は満々です。関係者にとって“寝耳に水”だった電気代の負担軽減策の復活も総裁選を見据えた戦略の一つとか。もちろん岸田首相も菅氏の動向に神経を尖らせていますが、派閥など“後ろ盾”を持たない菅氏が仕掛けた『岸田おろし』がどこまで広がるかは不透明な状況にあります」

 唯一ハッキリしているのは「国民不在」の争いという点か。

デイリー新潮編集部

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