NTT株急落は「気にする必要はない」投資利益100億円のテスタ氏が説く「NISAの鉄則」
今年から始動した「新NISA」を機に、投資を始めてみたという向きも多かろう。そんな新規参入組に冷や水を浴びせる出来事となったのが、NTT株の急激な下落だ。国内屈指の人気株の“危機”にどう対応すべきなのか。「NISA」に対する向き合い方について、累計利益100億円の著名投資家、テスタ氏にきいた。
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“誤差のようなもの”
「株式会社QUICK」の調査によると、ネット証券5社における今年4月のNISA経由のNTT株購入額は、149億円で個別株首位。新NISAを見据えたという昨年の株式分割によって、人気が大きく上昇していたのである。
それが一転、25年3月期の連結純利益が前期比14%減の1兆1000億円との見通しが発表されてから、株価は急激に下落。6月12日には心理的節目の150円を割り込み、18日の終値は145.5円。25日には150円台に回復したとはいえ、半年で約25%もの下落ぶりは、「NISA勢」に大きな衝撃を与えることになった。
NTTほどの安定株でもこんなことに――。そんな悲鳴が聞こえてきそうな状況だが、
「みんなが知っている企業の株だから、騒がれただけではないでしょうか」
そう冷静に述べるのは、株取引での累計利益額が100億円を超える投資家、テスタ氏。
「NTT株のチャートを見てみると、23年1月頃が150円前後なので、その時の水準に戻っただけなのかな、と思います。さらにさかのぼって4年前だと、100円以下の時もありました。今回の急落なんて気にする必要はありません」
そもそもNISAは、長期で分散して積み立てることを前提とした制度だと続ける。
「新しいNISAでは非課税となる投資枠が『生涯で1800万円』とされていますが、1年で全ては使えないようになっています。長期的な目線での資産形成を想定したものだということですね。仮に投資枠上限の1800万円分の投資を最終目標にするなら、半年で一つの銘柄が急落しただけなんて、NISA全体から考えれば誤差のようなものです。始めて半年で下がったからといって、慌てる必要はありません」
一時的な変動に一喜一憂するべきではない、と説くのだ。
「NISAでは『成長投資枠』を使って売り買いを繰り返すこともできます。しかし、基本的には仕事や子育てをしながら積み立てておくべきもの。これから何年も投資をしていけば、良い相場も悪い相場も経験することになるでしょう。いずれにしても、毎月無理のない範囲で、淡々と決めた額を投資していけばいいのです。初心者ほど慌ててしまいがちですが、心が揺さぶられないようにするのが何より大事だと思います」
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