「女性の部下を暴行」で大阪地検トップが電撃逮捕 「誘われたら断れないものですよ」との証言が
危機管理、コンプライアンスが専門
6月25日、大阪地検でトップの検事正を務めた弁護士の北川健太郎容疑者(64)が準強制性交の疑いで大阪高検に逮捕された。法曹界を震撼させる事件についてお伝えする。
【写真】自民党派閥の裏金疑惑を取り仕切った最高検刑事部長の職を北川容疑者は経験していた
「大阪高検は被害者のプライバシーに配慮して、容疑の中身については一切明らかにしていませんが、事件が発生した時期は北川容疑者が検事正だったころで、場所は検事正の官舎、被害を受けた相手は部下の検察関係者の女性のようです」
と、社会部デスク。北川容疑者は金沢大法文学部卒業後、1985年に検事任官。主として関西地方でキャリアを重ね、那覇地検検事正、大阪高検次席検事、最高検刑事部長、そして大阪地検検事正(2018年2月~)を務め、2019年11月に退官。2020年に大阪弁護士会に弁護士登録し、ロイヤルホテル監査役やNCホールディングス取締役、神戸大理事などを務め、専門領域については「企業刑事法務、危機管理、コンプライアンス」としていた。
定年前に異例の辞職
大阪地検のトップである検事正を最後に退官、という辞め方については、当時少し話題になったという。
「大阪地検の検事正を経験すれば、全国に8つしかない高検トップの検事長を務めるのが既定路線。北川容疑者の前任は福岡と大阪の高検トップを歴任していますし、後任は札幌と福岡の高検トップを務めました。北川容疑者が大阪地検の検事正を辞めた理由は一身上の都合だったとのこと。権力欲が強いわけでも地位に連綿とするタイプでもなかったようですが、とはいえ時期としては定年前で、検察の決裁ラインのど真ん中に乗っている人が取る選択肢ではないなどと当時から言われていたということでした」(同)
人事について補足しておくと、最高検刑事部長の前任は現在の検事総長(検察トップ)で、後任は1つ前の東京高検検事長(検察ナンバー2)。北川容疑者が検察の序列で相当な上位にいたことは疑いなく、今思えば、今回の逮捕事案が異例の辞職を決断させたと見るのが自然だろう。では事件はどのように起こったのだろうか。
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