隠ぺいか凡ミスか 鹿児島県警トップが警察庁の特別監察に語った内容とは
元生活安全部長が情報漏えいで起訴
鹿児島県警察本部で、元生活安全部長が情報漏えい事件で逮捕・起訴された問題について波紋が広がっている。事態を重く見た警察庁は野川明輝本部長を訓戒処分とし、6月24日から首席監察官らを県警に派遣し、実態について検証する特別監察をスタートさせた。そこで本部長以下、県警側から語られたこととはどういったものだったのか。
【写真を見る】警察官の盗撮事件を隠蔽した疑惑が指摘されている野川本部長
監察とは「警察の警察」と呼ばれる立場で、組織内の不祥事などを専門に調査する部門だ。各県警本部内にも監察が置かれているが、鹿児島県警内で今年だけで逮捕事案が4件も相次いだこともあって、警察庁からキャリア官僚が務めている首席監察官が派遣されたというわけだ。まずはこれまでの経緯を振り返っておこう。
情報漏えい事件で逮捕・起訴されたのは、鹿児島県警の本田尚志元生活安全部長。事件が発覚したきっかけは、別の鹿児島県警の警察官による情報漏えいだった。
「流出していたのは、警察内のかなり秘匿度の高い内部文書で、この件について鹿児島県警の曽於(そお)警察署の巡査長が情報漏えいの件で逮捕・起訴され、この捜査の過程で本田元部長による漏えい容疑がめくれていったということです」
と、社会部デスク。
県警本部長が隠ぺいしようとした
本田元部長は今年3月に退職し、5月31日に逮捕された。
「本田元部長の逮捕容疑は警察の内部文書を、以前から鹿児島県警の問題を扱っていたライターに郵送し、職務に関して知り得た秘密を漏らした国家公務員法違反です。そして6月5日、裁判所で行われた勾留理由の開示手続きにおいて、本田元部長は文書を外部に送付した動機について、県警内の隠ぺい体質を外部に告発する意図があったと説明しました」(同)
この中で本田元部長は、枕崎警察署の巡査部長が5~6月に逮捕・起訴された盗撮事件など県警職員が行った犯罪行為について野川県警本部長が隠ぺいしようとしたと訴えている。
「枕崎警察署の巡査部長の盗撮事件は去年12月に認知され、本部長に報告されました。防犯カメラに枕崎署の公用車と同じ車種の車が写っており、運転しているのが枕崎署員である可能性があるという内容でしたが、ナンバーがハッキリしなかったことなどもあり、野川本部長は継続捜査を命じたとされていました」(同)
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