患者から「使いたくない」「面倒くさい」「全然わからん」で利用進まず…窮地の「マイナ保険証」に横たわる2025年問題

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“全然分からん……”

 マイナ保険証が何らかの原因で認識されなかった場合、「被保険者資格申立書」を記入して提出すれば、保険診察を受診することができる。しかし、

「この申立書も面倒な書類です。現行保険証に書かれた組合の名前や負担割合などを書いた上で、さらに後日、被保険者番号等の情報を医療機関に伝えないといけない。当院でもマイナ保険証が認識されず、申立書を書いた方がいましたが、認識されなかった理由は当初“全然分からん……”と嘆いていました。結局、その方は勤め先の支店が変わったことで、健康保険の番号が変わり、認識されなかったようで、その原因を突き止めるために会社にも問い合わせまでしていました。こんなトラブルが増えていったら、ただでさえ忙しい医療機関の窓口 はパニックを起こすのではないでしょうか」

 煩雑な作業が発生してしまうゆえ、マイナ保険証は普及しないのだと続ける。

「要は患者が使いたくないから利用率が増えないのです。政府は今年4月時点でマイナ保険証の利用率が6.56%となり、昨年4月の6.3%を上回ったと宣伝していますが、医療機関でマイナ保険証の利用率が増えているというより、薬局での利用が増えているのでしょう。いずれにしても現状では約94%の人がマイナ保険証を利用していないわけですから、急ピッチに進めたら混乱が起きるのは明白です」

 さらに懸念されるのは2025年問題だという。マイナカードには電子証明書が搭載されており、市町村窓口での5年ごとの更新が必要。更新が必要なマイナカードは2025年に2700万枚以上になるとみられ、前年までの倍以上に激増するのだ。

5年ごとの更新について知らない人が

「電子証明書の5年ごとの更新について知らない人が意外と多い。期限が切れたまま、いざ病院でマイナ保険証を提示したら電子証明書が切れていて使えなかった、というトラブルが25年以降は表面化してくる可能性があるのです。電子証明書が切れているとマイナ保険証として使えない上、紙の保険証を持っていなければ窓口で10割負担を強いられる事例も出てくることが考えられます」

 現場のトラブルはまだまだ収まる気配はない。年をまたいで混乱が続いていく様相なのである。

デイリー新潮編集部

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