【追悼】“素顔”も皆に愛された桂ざこば師匠 「近所のおっちゃんみたい」「入りたてのスタッフにこそ声をかけていた」

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「近所のおっちゃんみたい」な素顔

 88年、二代目桂ざこばを襲名。請われてテレビ出演を続けた。バラエティーや討論番組でも奇麗ごとやなれ合いを嫌い、真剣だった。

 放送作家の古川嘉一郎さんは言う。

「共演相手が誰だろうと同じように接する。きついことを言うのは相手を本当に思いやっているからでした」

 自身を不器用と評していた。放送作家の大河内通弘さんも言う。

「近所のおっちゃんみたいです。心底優しく飾り気が全くない。現場でもまだ入りたてのスタッフにこそ気軽に声をかけていた」

 売れない時代から支えてくれた妻を思い、子煩悩でもあった。妻子は落語のマクラにも登場している。

 筆頭弟子として支えてきた師匠の米朝さんは2015年に他界。自身は17年、脳梗塞を患うがリハビリに励み復帰を果たす。近年、ぜんそくの症状が現れたものの今年も高座に上がっていた。

 自宅で激しいぜんそくの発作に襲われ、6月12日、76歳で急逝。

「突然電話があり、大阪都構想がよく分からんから教えてほしい、と聞かれたことがあります。テレビで討論する時、知らないでは皆に失礼と思っていたのです。落語以外でも職人気質の好漢でした」(保志さん)

週刊新潮 2024年6月27日号掲載

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