春ドラマ16本「ランキング」 賛否両論あった木村拓哉「Believe」で視聴率がガクンと落ちた世代とは

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個人視聴率的には大成功

 民放のプライム帯(午後7~同11時)の春ドラマ16本が、ほぼ終了した。最終回の個人視聴率(全世代)をランキングしてみたい。コア視聴率(調査対象13~49歳に絞った個人視聴率)も付記する。また、そのドラマが第1回から、どれくらい視聴率を伸ばしたのか、減らしたのかも数値化したい。(ビデオリサーチ調べ、関東地区)【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】

 テレビ界、広告界の視聴率の標準が世帯視聴率から個人視聴率に移行してから4年以上が過ぎた。世帯視聴率は全く使われなくなったから、その数字が10%を割ったからといって、関係者たちが慌てることはない。

 個人視聴率のヒットの目安は6.0%以上。コア視聴率の場合は5.5%以上だ。かなり高いハードルであるものの、昨年のTBSの夏ドラマ「VIVANT」(計10回)は第3回以降、ずっとクリアしていた。最終回では自己最高値の個人12.9%、コア10.1%を記録した。

 今年の冬ドラマの場合、日本テレビ「新空港占拠」の最終回(3月16日)は個人4.5%、コア4.1%。同TBS「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」の最終回(同17日)は個人6.6%、コア3.0%だった。

 危険水域は個人3%以下、コアは2%以下とされている。この数字を踏まえ、春ドラマの最終回の個人視聴率ランキングをご覧いただきたい。

1:テレビ朝日「Believe-君にかける橋-」(6月20日)
7.6%。第1回より+1.2%/コアは2.5%で3位。同+0.3%

2:TBS「日曜劇場 アンチヒーロー」(6月16日)
7.5%。同+0.5%/コアは5.2%で1位。同+0.7%

3:日本テレビ「花咲舞が黙ってない」(6月15日)
4.9%。同+0.3%/コアは2.0%で4位。同±0

「Believe」は賛否両論あったが、個人視聴率的には大成功。主演・木村拓哉(51)の基礎票が効いた。なにしろ50代以上の女性の個人視聴率が10%以上ある。こんな俳優、ほかにいない。青春時代に木村の大ヒットドラマを観ていた女性たちである。

 しかし、10代から30代の視聴率はガクンと落ちるから、コア視聴率はそう獲れない。木村はもう51歳。若い世代の人気は望めない。そのうえ、この作品は企業物の色合いも強かったから、余計に若い世代には敬遠されたのだろう。

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