「韓日歌王戦」大好評で続編放送も…「理解できない」 いまもくすぶる“疑惑の判定”

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韓国を勝たせたかった?

 こうした出演者への好意的なまなざしの一方で、番組そのものには批判の声もあがっている。

 そもそも、韓国チームに比べると、日本の面々は、どちらの国でも知られた存在とは言い難い。新聞社の芸能部の記者もこう指摘する。

「番組は“韓日友好推進”という、歌だけで勝負する趣旨だったが、キャスティングを見るだけでも、韓国チームが勝利する前提での企画だったことは間違いない。ところが日本チームの実力が予想外に高く、それでも勝たせようとする演出ゆえか、採点に「偏向」との声もあがった」

 たとえば第2回目の放送では、住田愛子が「ギンギラギンにさりげなく」を歌うパフォーマンスを見せた。この評価が高かったのは、先述のYouTubeの反応からもわかるとおりだ。対する韓国チームはキム・ダヒョンが演歌「漁師の歌」を歌った。キム・ダヒョンのステージも幻想的だったが、2人に対する観覧席からの声援はほぼ同じ。むしろ、ネットの反応は住田愛子のほうが上だった。

 ところが、結果は118対87で、キム・ダヒョンが勝利。評価には審査員のほか、「国民判定団」という匿名による採点も行われたのだが、「判定団」がキムに与えたのは73点、一方の住田には27点と差が大きかった。

「私は住田が勝ったと思う」

 第4回目の放送でもキム・ダヒョンと住田愛子は再び対決。キムは「さようなら、私は行く」、住田はMISIAの「逢いたくていま」を歌った。住田が高音の歌をみごとに歌い上げたと評価されたが、この日の採点もキム・ダヒョンが90点、住田が10点。誰が見ても不思議な結果だった。実際、住田の「逢いたくていま」の動画には「理解できない結果」「私は住田が勝ったと思う」などのコメントが多く寄せられている。

 同じ第4回目でLynと歌心りえがともに歌った「悲しい縁」も、歌心は決して引けを取らず、芸能人の審査員たちもどちらが圧倒的だったとはいえないと評価していた。ところが、結果はLynが80、歌心が20と大きな差がついた。

 韓国の視聴者の視線も厳しい。主婦のPさん(56)はこういう。

「日本チームは無名歌手、韓国チームはメジャーデビューしている有名歌手が出演したにもかかわらず、日本チームは実力で引けを取っていなかった。そのうえ偏向判定疑惑まで出て、韓国チームは損をしてしまった」

 番組の成功で、日韓歌手たちのベストアルバムが発売されることが決定されたほか、7月には女性ではなく男性歌手らが競う続編についての詳細が明かされる。日本での放映予定もあり、これだけの疑惑をもたれただけに、「次は偏向評価はないだろう」と記者たちは見ている。

ノ・ミンハ(現地ジャーナリスト)

デイリー新潮編集部

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