「保険証を廃止すれば事故は増える」 マイナ保険証で死亡トラブルが…河野大臣は厚労省に責任転嫁

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 第16代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーンは「40歳になったら、人は自分の顔に責任を持たねばならない」と語ったという。マイナ保険証が引き起こしているさまざまな問題に頬かむりを続ける河野太郎デジタル大臣(61)は、鏡でご自身の相貌を一度よくご覧になってはいかがか。

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 政府は5月から7月までの3カ月間を“マイナ保険証利用促進集中取組月間”に指定。新聞広告やTVCMを大々的に展開している。しかし一方で、医療現場ではマイナ保険証にまつわるトラブルが続出。とりわけ、本誌(「週刊新潮」)が6月20日号で報じたある死亡事例が波紋を広げている。

診療を諦めて帰宅

 改めて事案を振り返ろう。今月4日、岐阜県在住の高齢女性(78)が搬送先の総合病院で亡くなった。死因は心筋梗塞だった。女性は亡くなる前日、胸痛の症状を訴えて地域のクリニックを訪れていた。女性は軽度の認知症で、付き添った夫が彼女の代わりに病院の窓口にマイナ保険証を提示したという。カードリーダーの顔認証による本人確認の手続き自体はスムーズだったが、

「最終段階で資格確認端末に“資格情報なし”と表示されて、保険資格が認められなかった。窓口の事務員は10割負担の方法か被保険者資格申立書の提出(それにより、保険資格者と同じ負担割合での診療が可能)による受診を勧めました。ですが、ご主人は女性の症状が落ち着いたことに加えて、“10割を支払う持ち合わせもない”などの理由で彼女の診療を諦めて、帰宅してしまったのです」(医療関係者)

 夫は窓口に“明日(紙の)保険証を持って出直します”と告げていたが、翌日未明に再び女性の容体が悪化。帰らぬ人となってしまったのである。後日、夫は周囲に対して「(紙の)保険証を持って行かなかったことを後悔している」と語ったという。

「紙の保険証なら起こり得なかった」

 デジタル庁や厚労省は本誌の取材に対して、システムに起因する不具合を否定した。だが、仮に患者側の申請段階に不備があったとしても、こうした事態は予見できたはずだ。

「現場では通信エラーや機械の不具合が起きている。紙の保険証であればこんなことは起こり得ませんでした」(前出・医療関係者)

 もっとも、マイナ保険証利用促進の旗振り役である当の河野大臣は14日のオンライン記者会見で、フリーのジャーナリストから「死亡事例が岐阜県で起きている。それについての報告を受けていないのか」「(マイナ保険証を)進める立場で死亡事例を知ろうとしないのか」などと重ねて問われた際、

「厚労省にお尋ねいただきたいと思います」

 との回答に終始。仏頂面でわれ関せずの態度を貫いた。

「ひどい答弁は日常茶飯事。質問の最中に話を打ち切り、木で鼻をくくったような答えばかりをします。今回が初めてではなかったので、別に驚きませんでした」

 とは、質問をしたジャーナリストの横田一氏である。

 河野大臣は横田氏から本誌6月20日号の記事を読んだかと聞かれて、「読んでおりません」とも答えているのだが、

「紙嫌いの河野大臣ですから、紙の新聞・雑誌を読む習慣がなく、ネットの記事しか読まないのかもしれません。いずれにしても、ほかの大臣では考えられない対応です」

 改めて本誌はデジタル庁に、河野大臣の他省に責任転嫁する姿勢について質したところ、

〈本件につきましては、事実関係不明確のため回答をお断りいたします〉

 とのみ、メールで返事があった。

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