よこはま動物園のマレーバクが台湾への移送中に死亡 病理解剖で明らかになった死因で波紋が広がる理由

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昨年もマレーバクが急死

 この会見後、台北市動物園のSNSには「悲しみが怒りに変わった」「日台の動物園がこんなに低レベルの間違いを犯したのか」「来夏は台北市動物園とマレーバクのニュースを観たくない」など、強い怒りが寄せられた。なぜなら、同園では昨年7月にもマレーバクが急死しているからだ。2018年にチェコから来園した7歳9か月のオスで、東山動物園に送られたモドゥの父である。

 当時は熱中症の疑いが盛んに報じられたものの、解剖結果は感染症が主な死因であり、熱中症はその引き金とされた。それでも熱中症が関係していたことは事実のため、ひでおについても報道直後から熱中症を疑う声が出ていた。

 今回の会見でツァオ博士は「台湾と日本の双方が情報をすべて開示してから、その後の検証を行うべきだ。人為的ミスによるものかどうか軽率な結論を下すことはできない」と述べた。ひでおが機内で受けたストレスの種類や原因など、解明すべき謎はまだ多くあるはずだ。両園は今回の件を教訓として、動物移送時のリスク軽減に努めるとしている。

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