女性検事は容疑者に「社長、いらっしゃーい」、男性検事は「検察、なめんなよ!」…冤罪事件「国賠訴訟」で判明した大阪地検特捜部検事たちの呆れた所業の数々

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「怒りで体が震えました」

 田渕検事は原告側代理人の秋田真志弁護士の反対尋問に「(Aさんが)が不自然な話をしており、自分の言葉の重みを実感してほしかった」などと抗弁した。

「10億や20億じゃすまない」などの発言や机を叩いたことなどには「不穏当だった。全く非がないとは言わない」と反省はしてみせた。しかし「山岸さんは今も有罪と思っていますか?」と問われると「答えることができない」と逃げた。

 山岸氏は閉廷後の会見で「怒りで体が震えました」と話した。「田渕検事は(取り調べで)命かけているとか、腹を切るなんて言っていましたが、腹切るなんて簡単に言う言葉ではない」。

 無罪判決について田渕検事が「残念だった」と答えたことについて山岸氏は「控訴しなかった検察の言う言葉ではない」などと話し、田渕検事について盛んに「男らしくない」と繰り返した。

 山岸氏は248日間も不当拘留された。さらに、逮捕が報じられたことでプレサンス社の売上は激減し、株価は下落、顧客へのローンもストップした。山岸氏は社長を退き、自社株を売って食いつないだ。

逮捕状を手にして「こんなん出してもたやんかぁ」

 この事件では、末沢岳志検事(46)に調べられた別の会社社長が「山岸社長は知っていた」との供述を途中で「知らなかった」と撤回した。末沢検事は「山岸社長の逮捕は待ったほうがいい」と主任の蜂須賀三紀雄検事(51)に進言したが、蜂須賀検事はこれに耳を貸さなかった。

 尋問で蜂須賀検事は「思い出せないが、末沢検事が言うなら否定しない」と答えた。

 会見で山岸氏が「レベルが低いと感じた」と話した通り、田渕検事はある意味、単純で幼稚ではある。同氏が「さすがやなと思った」と言うのは、彼自身を取り調べ、6月11日に尋問された山口智子検事(55)だ。

「社長、いらっしゃーい」

 山岸氏は山口検事の初めての取り調べでは桂文枝よろしく、親し気な言葉で検事室に迎えられたという。

 山口検事は山岸氏が同じ同志社大学の出身だったことなどを利用し、いかにも山岸氏に親身になっているかのように装いながら取り調べを進めた。接見した弁護人のアドバイスを聞き出したり、弁護人の解任を迫ったりしながら目的通りの供述を得た。逮捕した際には「社長、こんなん出てしもたやんかぁ。悔しいわ。どうする?」と逮捕状を持ってきて大袈裟に嘆いて見せた。

 詳細は山岸氏の著作『負けへんで! 東証一部上場企業社長vs地検特捜部』(文藝春秋)に記されている。

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